株主・投資家の皆様には、平素より多大なご支援、ご鞭撻を頂戴しており、厚く御礼申し上げます。
昭和3年、まだ国内では珍しかった自動車に関連し、現代表の祖父が大阪の地にバッテリーの製造販売を商う事業を起業したのが当社の起源であります。その後も常に創造的な発想を失わず、昭和22年の法人設立を踏まえ、2024年1月には、創業96年、第77期目を迎えるに至っております。
戦後のわが国は、高度経済成長、バブル期、失われた20年、構造改革、アベノミクスなどを経ながら現在に至っておりますが、その間も一貫して社会の流れと時代の変化に対応し、事業にイノベーションをもたらしながら、業態を転換しチャレンジを続けて参りました。
そして、2015年6月、当社は東京証券取引所JASDAQ市場への上場を果たし、2018年6月に東京証券取引所市場第二部へ、同年12月には第一部への市場変更、そして東証市場再編においてはスタンダート市場を選択することになりました。
このプロセスを振り返ることで一段と未来に向けては気の引き締まる想いであると共に、株主・投資家の皆さまの負託に応えるべく更なる成長を続ける強い意志を再確認しております。
ここまでの道程を歩めましたのもひとえに、長きに渡り当社に対してご厚情を賜った株主の皆様、お取引先様各位、地域の皆様、そして何よりも当社に関わり共に協働した全ての従業員のお陰であると心より感謝を申し上げます。
当社のフィロソフィー・企業の目的は「社会の公器として永続する事業体となる。そして変わりゆく時代を創造する主体者になる。」と記しております。このわずか1行の文章ですが、どれほどの重みがあり、そしてそれを守り続ける意志がいかに大切か。私たちはその実践として、業態を転換し、ガバナンスを強化し、上場を果たし、パブリックカンパニーとして永続できる道を選びました。今後も成長を続けながら、皆様のご期待に添えるよう企業価値の向上に努めて参ります。
さて、当社は2020年春の携帯電話販売代理店事業の譲渡以降、自社サービスでの事業成長一本に絞って事業を推進して参りましたが、コロナ禍の影響も含めポートフォリオの入れ替えを図って参りました。
そこからようやく状況の打開が見え始め、黒字化そしてそのあとのスケールに向けて一歩ずつではありますが手応えを感じています。
それこそ未来への道筋がハッキリと照らされている感覚を持っています。
社会が変革されていく時代ですので、永続するためには当然既存の枠組みを変えることが求められていると理解しています。
人間中心であり、自然中心、最大のステークホルダーは地球と人類という大きな前提の上で、「歴史に残る社会システムを創る」というミッションを掲げ、時代を創造する主体者となるべく事業を推進してまいります。
その過程では既得権益と対峙することもあるでしょうし、傷つくこともあるでしょう。
ですが、革命的に社会が変革される入り口に立っている時代感への確信から、未来を信じて新しい社会システムを担う主体者になりたいと強く考えています。
デジタルガバメントは行政デジタル化という追い風の中で他社とのアライアンス構築も踏まえて、社会の変革を担ってまいります。
モビリティ・サービスにおいては、100年に一度と言われる破壊的イノベーションが進む自動車産業における新しいサービス事業として広義なMaaS事業の深化を目指します。
スマートべニューは、成長産業と位置付けられるスタジアム・アリーナ改革の流れの中で、スポーツやエンタメ、さらにまちづくり、社会づくりそのものを実装します。
今までの事業を統合してリアルなまちの変革に、民設での次世代アリーナを軸に、経済的な価値創出を前提として取り組みます。
さらにサスティナビリティや自然、地球環境といった普遍的な視点も事業に統合していき、経済的な価値と社会課題解決を両立することも当社の大きなビジョンであります。
これまでの経験からも、変革のプロセスでは失敗も多く、一時的な方向転換の中で状態が悪くなることもあります。しかしながらそれは何度も経験していること。未来を信じて私たちは力強く前進します。
投資家の皆様におかれましては、何かと不安の多い社会環境ではありますが、ご健康に留意され健やかに日々お過ごしになられますことを願っております。
これからも引き続きご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2024年1月
株式会社スマートバリュー
取締役兼代表執行役社長