【イベントレポート】Umekita Blooming Night (Ecosystem Link#9 presented by It’s Sta.) 「デジタル×行政トークセッション ~スタートアップと連携した行政のDX~」
みなさんこんにちは!クボマサヒコです。
2024年7月16日、「Umekita Blooming Night (Ecosystem Link#9 presented by It’s Sta.)」主催:一般社団法人うめきた未来イノベーション機構(U-FINO)・さくらインターネット株式会社 が開催されました。
そのSessionのひとつ「デジタル×行政トークセッション 〜スタートアップと連携した行政のDX〜」に弊社執行役の上野が登壇しましたので、今回はその様子をレポートしていきます。
目次
イベント概要
<当日プログラム>
15:45 Session0:オープニング、U-FINOおよびIt’s Sta.の紹介
16:00 Session1:Innovation Community Cross Session – Blooming Camp × 京都リサーチパーク × QUINTBRIDGE~コミュニティのごちゃまぜから生まれる共創の可能性~
17:00 Bridge Session:若手起業家によるスタートアップピッチ
18:00 Session2:デジタル×行政トークセッション ~スタートアップと連携した行政のDX~(上野登壇)
19:15 Session3:注目!スタートアップピッチ「生成AI」
当日はセッションごとに、様々なテーマでトークが繰り広げられました。
弊社執行役の上野が登壇したのは「Session2:デジタル×行政トークセッション〜スタートアップと連携した行政のDX〜」になります。これまで行政DXに取り組んできた経験から、デジタルガバメント領域を主軸とする事業者の立場として、パネルトーク形式での議論を行いました。
<開催場所>
グランフロント大阪北館タワーB 10階
ナレッジキャピタルカンファレンスルームタワーB Room B01+B02
会場からの見晴らしも良く、2024年9月6日に先行まちびらきが行われるうめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」が確認できました。余談ですが、2025年春に開業予定となるグラングリーン大阪 南街区パークタワーに、弊社は「SLOW AND STEADY(スローアンドステディ)」というオフィスワーカー向けウェルビーイング向上スペースを立ち上げます。
登壇者のご紹介
吉田 泰己氏(デジタル庁 組織戦略グループ 企画官 / 写真左)
2008年経済産業省に入省、2017年から2021年まで経済産業省情報プロジェクト室で事業者向け行政サービスのデジタル化を推進。2021年からはデジタル庁企画官としてデジタルマーケットプレイスをご担当されています。
多名部 重則氏(神戸市 広報戦略部長 兼 広報官 / 写真左より2人目)
1997年神戸市採用。2015年にスタートアップ育成を軸にしたイノベーション施策を立ち上げ、スタートアップと市職員による新たなDXサービスの共同開発を行われています。
上野 真(株式会社スマートバリュー デジタルガバメント事業部門 GM 執行役 / 写真左より3人目)
2022年7月から、行政DXや新しいまちづくりを推進するデジタルガバメント事業部門の統括責任者。うめきた2期地区開発事業『グラングリーン大阪』に開業する、健康経営支援施設「SLOW AND STEADY(スローアンドステディ)」も統括しています。
服部 和樹氏(さくらインターネット株式会社 ガバメント推進室 マネージャー / 写真左より4人目)
2022年4月のガバメント推進室設立に伴い当該部門に異動。ガバメントクラウドの登録や行政向けクラウドサービスの提案を推進されています。
阿多 信吾氏(大阪公立大学 大学院情報学研究科 基幹情報学専攻 教授 / 写真左より5人目)
2000年大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。学長補佐(スマートユニバーシティ担当)として大学キャンパスのスマート化を進めるとともに、最近ではビルOS、都市OSを通じたイノベーション創出にも取り組まれています。
テーマ①:行政DX化における課題と解決策
モデレーターの阿多氏よりトークテーマを発表いただき、セッションがスタートしました。
「行政コストの高止まり要因」、「システムに対する言語化の難しさ」、「内製化VS外部委託」について、ディスカッションが展開されました。
阿多氏「そもそも本事業の趣旨を理解し、プログラムコードを書ける人が少ない。コストを抑える点から考えると、内製化も外部委託もあまり変わらないのが現状。」
吉田氏「行政側もシステムの知見を持った人が少ない。実際に使う住民目線で使いやすいかどうかを、行政と事業者が一緒に考えて進めると良いのでは。」
多名部氏「今までやってきた流れにとらわれず、正しい順序になっているかを考えた方が良い。結果的に使いにくいシステムができる原因にもなる。」
上野「多名部さんも話された通り、今までの仕事の流れにシステムを合わせた結果、高止まりの原因になるパターンが多い。」
服部氏「弊社も今までの運用に合わせることが多い。ただ、最近少しずつ運用を変えることも視野に入れてくれる行政も増えてきてはいる。」
上記は会話のほんの一部になるんですが、実際に発注をする側・される側両方の意見を聞けば聞くほど、私の中で頷きが深くなっていきました。抱えている悩みはみんな一緒だったんだなー・・・と(笑)。
テーマ②:行政とスタートアップの連携による行政DXの課題と解決策
テーマ①の行政コストに関するお話から、テーマ②では「スタートアップの参入障壁」、「スマートシティにおける変革の可能性」についてディスカッションが続いていきました。
吉田氏「スタートアップがそもそも公共調達に参加しようと思わない現状を考えるべき。参入ハードルの高さをデジタルマーケットプレイス(DMP)で解決していきたい。」
服部氏「スタートアップにとっては、セキュリティ認証を取得するのもコスト面や稼働の面でハードルになっている。どのような支援ができるかステークホルダー間での議論が必要と考えている。」
上野「同じくハードルの高さを実感している。Pマークが必要であったり、導入実績を見られることもある。」
吉田氏「デジタルマーケットプレイス(DMP)に掲載する場合でもセキュリティは重要。機密性のレベルに合わせてセキュリティレベルも考える必要がある。」
多名部氏「行政側はどんな仕様書を書いたらいいの?スタートアップにこんなことまでできるの?という疑問を持っている可能性がある。」
こちらのテーマについても色濃いディスカッションが行われ、個人的にはDMPにまつわるお話に強い関心を持ちました。テーマ①~②と続くなか、課題に対峙されている方々の生の意見を聞くことができたのは、ホントに貴重でした。
行政DX化に期待が高まる
今回のトークセッション、濃密な内容だったこともあり時折笑いも起こりつつ会場は大いに盛り上がりました。登壇者や登壇者が属する行政・企業それぞれが、行政のデジタル化に課題を抱えながらも、どのように考え行動し解決に向かっていくのか。参加者は大変熱心に聞き入っていました。
事業会社のみならず、自治体支援者側の参加者も多く見られ、トークセッション後は活発に名刺交換が行われていました。行政DX化のみならず、リアルとデジタル両軸の観点から、まちづくりに貢献していきたいと改めて感じました。
また、こちらのイベント「Ecosystem Link」は定期的に行われていますので、気になった方は下記リンクからチェックしてみてください。
うめきた未来イノベーション機構(U-FINO):イベント情報
行政DXやまちづくりに興味がある方へ
弊社は行政DX化やまちづくりなど、さまざまな事業を取り組んでいます。2025年春頃にはグラングリーン大阪にて、オフィスワーカー向けウェルビーイング向上スペース「SLOW AND STEADY(スローアンドステディ)」を展開し、ユニークなヘルスケア関連機器などの展示や、気軽に参加いただける健康関連イベントの開催が予定されています。
現在開業に向けて準備中となりますが、ヘルスケア関連機器の出展やアライアンスパートナーの募集も行っておりますので、当事業に少しでも興味を持たれましたら、是非こちらからお問い合わせくださいませ。
- クボ マサヒコ
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デジタルガバメント事業部 社会システム創造Divisionに所属。
社内BAR「雅」及びオウンドメディア「SUSTENNA」の運用を兼任。
最近の嗜好はもっぱら日本酒。